絵画教室の大江先生の研修を受けて
先日、本園で『絵画教室』の講師をしていただいている大江先生に園内研修をしていただきました。
大江先生は福岡や東京などで作品展を開催されるなど三瀬在住の画家としてご活躍されています。
『絵画教室』というと絵の描き方を教えたり、テーマに沿って描いたりというようなイメージを持たれることが多いのですが、
大江先生による絵画教室は"心を使う表現の遊び"という子どもたちの自由な発想やイメージ、自分の気持ちなどをのびのびと表現することを目的に行われています。
決まっているのは、赤,白,黄色,青の絵具を用意することと、画用紙の色のみです。
子どもたちは自分が”今描きたいもの”を思い思いに描き進め、塗り色を作り出しながら参加しています。
今回の研修では、絵画教室の意義や色の選択について、また"導く"のではなく"寄り添う"ことの大切さなど、絵画教室の時間に私たち保育教諭はどのように向き合い子どもたちへのサポートをしたらよいのかを教えていただきました。
その中で、「良い絵とはどんな絵だと思われますか?私は、子どもにとっての良い絵とは達成感や満足感、充実感を味わえる絵だと思っています。それを大事にするためには、大人(職員)が持つ絵の価値観は一度保留し、とことん子どもに付き合う姿勢が大切なのではないかと考えます。」と仰っていたのがとても印象的でした。
保育教諭3年目で年長組を担任していた時のことを思い出しました。
当時『母の日』のプレゼントとして、丸く切った画用紙にお母さんのイラストを描きメダル作るという活動していたのですが、その時に一人の女の子がお母さんのお顔を水色で描いていたのです。
その様子を見た隣で描いている友達が「どうして水色なの?人間描く時は肌色で描かないの?」と聞いていて、私はその様子を見守りつつ心の中では、確かに肌色で描かないのもめずらしいなと思っていました。
すると女の子は「ママが好きな色だからだよ。水色と黄色とピンク、ママの好きな色だけを使いたいから。」と答えて、その後も集中して描き、出来上がった絵を嬉しそうに見せてくれました。
その姿を見て、私の心の中のどこかで「お母さんの絵はこうあるべき」というのがあったのかもしれない,子どもたちには子どもたちなりの絵に対する思いがあるのだとハッとさせられました。
それまでは、絵の背景をこんな色で塗ったらもっと素敵な作品に見えそう、絵が小さいと寂しく見えそうなど私の価値観で見てしまっていたなと大反省した当時のことを研修を受けながら思い出していました。
研修後は、担任たちから言葉かけや子どもたちの状況に応じたサポートなどについて質問も出たのですが、大江先生が丁寧に一つ一つ答えてくださり、学び深い時間を過ごすことができました。
大江先生、誠にありがとうございました。
今後も子どもたちの絵画の時間が言葉にならない感情をのびのびと出す時間、達成感,満足感を感じる時間となるよう考えていきたいと思います。
教頭 馬場恵里香
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